プラモデル売り場の特徴と現在のおもちゃ市場について

プラモデルは男子向けのおもちゃとして高い人気があり、おもちゃ売り場の主役として扱われたこともありました。個人経営の小規模なおもちゃ屋では最も目立つ売り場に置かれるのが普通でした、現在ではおもちゃの種類が増えたためにプラモデル売り場が縮小される傾向がありますが、その一方で大人が昔を懐かしんで購入するケースが増えています。

プラモデルをより深く楽しむため、歴史や人気の変容を学びましょう。


日本でのプラモデル普及は日本の景気変動や流行の影響が大きい

プラスチック樹脂で作られた部品を組み合わせて完成させるプラモデルは1930年代のイギリスで初めて製品化されました。日本には第二次大戦が終結した後に米軍によって持ち込まれましたが、当時は木製やブリキ製のおもちゃが一般的であったことや国内での製造ノウハウが無かったことから注目されなかったのが実状です。

やがて高級な輸入おもちゃの扱いで少数が市場に流通しましたが、1950年代の末期に国産のプラモデルが開発されました。既存のおもちゃと比べると高価だったにも関わらず、男子向けのおもちゃとして爆発的に普及しました。

これは当時の日本が高度経済成長期であり、人々の生活水準も上がって趣味にお金を使う余裕が生まれたのが大きな理由です。高度経済成長期の日本は工業製品の製造技術が飛躍的に向上した時期でもありました。当時の最新技術であったプラスチック成型技術で作られたプラモデルはおしゃれでカッコイイおもちゃとして人気を集め、様々な製品が市場に流通しました。

また、当時は戦記映画が人気だったことから、プラモデルの多くは戦車や戦闘機が題材にされていた傾向があります。武骨で力強いイメージを持つ兵器類がプラモデルの主流だったことも男子のおもちゃと認識された理由の一つです。

プラモデルの売れ筋商品は時代によって変わる

日本で売られているプラモデルは実在する車両や航空機、建物などを再現した製品が主流でした。しかし、1960年代に外国の特撮番組が日本で放映されて高い人気を得ると、同番組のキャラクターを題材にしたプラモデルが多数販売されました。

これを機にキャラクターをモデルにした製品も数多く作られるようになり、プラモデルの多様化に繋がった次第です。後に日本の人気マンガが火付け役になったスーパーカーブームの影響で高級車のプラモデルも多く販売された他、ロボットアニメを題材にしたプラモデルのカスタマイズは一つの趣味として確立し、現在でも根強いファンが存在します。

プラモデルのカスタマイズが広まったことで塗料や工具の種類も増え、初心者向けの製品も普及しました。現在はおもちゃの種類が増えて価値観も多様化したことから、プラモデルがおもちゃ売り場の多くを占める状況は無くなりつつあります。

価値観が多様化したことで爆発的な流行が起きなくなり、誰もが購入する売れ筋商品を作ることが難しくなったのも理由の一つです。現在のプラモデル市場は昔を懐かしむ大人を対象にしたリメイク製品と、深夜アニメやゲームのキャラクターを題材にしたマニアックな要素が強い製品に二極化されました。

マニアックな製品については乗用車や航空機のプラモデルにキャラクターが印刷されたデカールなどを貼り付けるコラボレーション製品が人気を集めている他、安価で購入出来るイージーキットも多く出回っています。

再現性の高さもプラモデルの魅力の一つ

プラモデルは本物の特徴をどれだけ再現しているかが製品の品質を左右します。プラモデルは金型にプラスチック樹脂を流し込んで成形するのが一般的な製造方法です。金型の造りが緻密であるほど再現性が高くなりますが、その一方で販売価格も高額になります。

金型の作成は高度な技術が必要なうえ、量産が困難なのが大きな理由です。安価なプラモデルは金型の造りも粗雑なので再現性が低いことから、かつては駄菓子のおまけなど市場での商品価値が低い物として扱われていました。

現在では金型の製造技術が向上したことにより、安価な製品でも再現性の高い物が増えています。製品によっては3Dプリンターを使用しているので、本物そっくりの仕上がりになっていることも珍しくありません。

おもちゃ屋の変容とプラモデルの扱いの関係

個人経営の小規模なおもちゃ屋が日本各地で営業していた時代は売り場の多くをプラモデルが占めていました。当時のおもちゃ屋は男子が集う場でもあり、人気製品であるプラモデルは男子を招き入れる効果があったためです。

プラモデル目当てで来店した男子が他の製品を購入することも多かったことから、人気のプラモデルの有無が店の売り上げに大きく影響していました。そのため、プラモデルは必然的におもちゃ屋に不可欠な物になりましたが、おもちゃの種類が増えたことや生活様式の変化に伴う価値観の多様化が事態を大きく変えることになります。参考リンク→プラモ買取 … 買取コレクター

プラモデルを主力にした既存の販売戦略が時代に合わなくなった他、大手企業のチェーン店が増えたことから個人のおもちゃ屋は経営が困難な状況に追い込まれました。

また、プラモデルはランナーから切り離して自分で組み立てる必要がある事も需要が減り、おもちゃ屋の経営が困難になった理由の一つです。手先が器用ではない人は上手に組み立てることが出来ず、塗装も手間がかかるので面倒に感じてしまいます。

購入してすぐに遊ぶことが出来る他のおもちゃにシェアを奪われる形になり、そのような人気商品は大手企業がほぼ独占してしまうことから小さいおもちゃ屋は売り上げの下落に追い込まれました。そのため、次第にプラモデルそのものがおもちゃ市場で数を減らすようになり、それに伴って売り場の縮小も加速するに至った次第です。

現在のおもちゃ市場におけるプラモデルの扱い

現在のおもちゃ市場ではプラモデルの扱いは決して大きくありません。おもちゃ売り場でもプラモデルのスペースは少ないものの、新たな需要を生み出すためにプラモデルの製造メーカーは様々な工夫を凝らしています。特に顕著なのが従来の常識だった組み立てと塗装を大幅に簡略化したプラモデルの開発です。

部品ごとに色分けが成されている他、接着剤を使わずに固定させることが出来る作りになっているのでプラモデル作りに慣れていない人でも手軽に作成に取り組むことが出来るようになっています。また、短時間で完成することからプラモデルに懐かしさを感じつつも時間を割くことが出来ない多忙な人にも向いているのが魅力です。

そのため、プラモデルの人気は徐々に増えつつあります。